オールドラント


・・・どうか・・けて。

 ・・悲しみの・・・


運命を・・・・




「起きて」

「大丈夫?ねぇ、起きて!」


強い力で身体をゆすられ目が覚めた。
「う…あなた…だれ?」
目を開けると、薄い栗色の綺麗な髪をした女性が心配そうに私を覗き込んでいて、その女性の後ろには真っ赤な髪の男の子がつまらなそうにしている。
あたりを見回すと、見たことのないようなきれいな景色。
可愛い花が咲き誇り、木々が多い茂り、岩の間からはキラキラと輝く海が見えた。

…ところで覚醒した。

「え!!!こ、ここどこ!!?」

ガバっと起き上がりあたりを見回す。
夢かとほっぺたをつねってみたが普通に痛かった。

「すみません、どうやら私の下敷きにしてしまったみたいで…。本当に申し訳ありませんでした。身体のどこか、痛いところは?」

「あ、いえ、特には。」

「そう、よかった。」

身体には異常はないが、この状況が異常だった。
ちょっと頭を整理しよう!
今日私は学校をサボって山に癒しを求めにいったんだよね。
うん。
それで光が見えたからその正体を確かめに森に入って、それから・・・光に包まれて…
どうなったんだ?

「すみません、私たち迷ってしまっていて、貴方はこの辺りに住んでいる方でしょうか。よろしければ道をうかがいたいのですが。」

「あ、いや、ごめんなさい。何がなんだか分かってないんですけど…私もこんな景色初めて見るもので。。むしろここどこ状態なんですが・・・」

「ま、まさか超振動に巻き込んでしまったのかしら…!!?」

超振動?
なんのこっちゃ分からなくて黙っていると、肯定に取られたのかお姉さんは顔を青くしてしまった。
なんか巻き込んだとか言ってるし、私はこの人たちの何かに巻き込まれてこんな見たこともない場所に居るのだろうか。

てか、暗くて初めは気に留めなかったけどなんて格好してるんだろうこの二人。
お姉さんの方は黒くてロングの変な衣装だし、お兄さんは白くてロングの変な衣装な上腹筋なんて見せびらかしてるし…
あれ、本物の腹筋なのかな?
イオンといい…最近コスプレしてる人によく会うな。
そういえばイオンに初めて会ったときも白い光が見えて次の瞬間彼が居たんだっけ。


ん?白い光…?


変な衣装。髪の色も奇抜でって…
まさか…!!


「あ、あの、つかぬ事をお伺いしますが…」

手が震える。
まさかとは思いたいけど、ちょっと心当たりがありすぎる。

「ここってもしかしてオールドラントとかいう…所だったりします?」

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