気持ちが通じ合ってキスをして、そしたら優からすごく離れたくなくなって。
優も同じ気持ちだったのだろうか。
どちらともなく手をつないで座り込んだ俺らは、それからずっと放課後の屋上で空を見上げていた。
誰かが来たらびっくりする光景だな。これ。

「さっきの彼はね、俺と同じで男の人を好きになってしまった人なんだよ。」

さっきの彼というのは、俺が優との間に割って入ってしまった子のことだ。
さっき、俺が優を取られるかと思ったって言ったからだろう、俺が聞く前に話出してくれた。

話さなくてもいいんだよ、って言えない俺の心の狭さを呪うけど、優が俺を気にかけて話し出してくれたことが単純に嬉しい。

「偶然、彼が付き合ってる人との喧嘩に立ち会っちゃってね。まぁ成り行きで仲直りの手伝いをしてたというか…。さっきのは仲直りのきっかけを作ってあげた報告。ついでに俺の事も相談に乗ってもらったりしたんだけどね。」

「そ、そっか、…付き合ってるヤツがいたんだな。」

「安心した?」

にっこりと笑う優の笑顔に安心する。

「あーあ、それにしても、花梨の言うとおりだったなー。」

優の肩に頭を預けて、ボソリとつぶやく。
すると、俺の腰に回っていた優の手が、肩に預けた俺の頭に移動してポンポンっと撫でる。
頭をなでられるのが気持ちいい。

「花梨ちゃん?」

「そ、昨日の夜なー、俺は優のこと好きなんだよって、花梨に言われたんだよ。その時はまさかと思ったけど、俺、本当に優のこと好きでやんの。自分の事って分かんないもんだな」

「じゃ、花梨ちゃんに感謝しなくちゃな、俺。」

「俺もな。」

報告しなくちゃ駄目かなーっと笑いあった。
昨日まであんなに悩んだのがうそみたいで、さっきまであんなに凹んでいたのがうそみたいで、そんな自分がウソみたいにおかしかった。

「優、好きだよ」

言ったあと、優の顔を見ると、とても嬉しそうに笑ってた。
俺の好きな優の笑い顔だ。
しばらく見つめ合った後、どちらともなく顔を寄せ合いついばむようなキスをした。




空にはきれいな月と星が、まるで俺たちを祝福しているようにきらきらと輝いていた。



fin


--あとがき--
展開が速いなぁと自分でも思いつつおわる。
幼馴染もの好きです。
そしてどんかんな受けがすきです。
草食系なのに受けのことが大好きで仕方のない攻めも好物ですwww

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