01 みなさん、初めまして。 突然ですが僕には、二年以上ずっと悲しいような、辛いような、悔しいような、そんなコンプレックスみたいなものがつきまとっています。 「今日もいたずら大成功!」 「っしゃあ!」 「二人とも騒々しいよ」 僕らは今日もいたずらを成功させた。 そして、 「「「きゃあああああああっ」」」 ほら、やっぱり。 今日も彼らに恋する女の子たちが集まってくる。 僕はあっという間に押しのけられた。 「ジェームズくん!今日のいたずらも凄かったわ!いつも驚かされてばかり!」 「ブラックくんってクールよね!凄く格好いい……」 「リーマスくん!あたし、頑張ってお菓子作ってみたんだけどよかったら……」 こんな光景には慣れっこだったし、三人とも内心嫌がってることは簡単に想像がついたから別に羨ましいとは思わない。 でもなんだろう。 僕は凄く凄く 「さびしい、のかな……?」 「そうか。私もついさっき不機嫌モードのセブルスにスリザリン寮を追い出されて寂しがってたところだよ。奇遇だね」 「………っ!!?」 ひとりで木陰に座っていたはずなのに、気づけば隣にファーストネームが立っていた。 ファーストネームはそのまま僕の隣に座り込む。 ファーストネームは賢いから多分僕が思ってることもわかってると思う。 だからこそ、彼女は僕に何かを尋ねるわけでも、僕を励ますわけでもなくただ隣にいるんだろう。 それが彼女の優しさなんだ。 |