01


「あーーどこもあいてないなぁ」





空いてるコンパートメントを探す少女がひとり。
彼女の名前はファーストネーム・ファミリーネームという。








「おっ あそこ空いてる……って遅かったか…」





彼女が見つけたコンパートメントはちょうど2人の男女が入るところだった。





(新入生の子だよね。
一緒に入っていいか聞いてみようかな。)




なんて考えているとファーストネームは今まさにコンパートメントに入るところだった少女と目があった。






「(うわ超美人さん!)あの、すみませんが「ねぇそこのあなた!!」は、はい…」




少女はファーストネームを遮ってキラキラした目でこちらを見る。なんなんだ。





「もしかして席に困ってる?困ってるわよね!なら是非ここに来て頂戴!」

「(あれなんだろう断る隙がなかったような)う、うん。ありがとう!」






こうしてかなり一方的な形でファーストネームの席は決定した。







「私はリリー・エバンズよ。リリーって呼んで頂戴!」

「えっと、ファーストネーム・ファミリーネームです。よろしく」

「………」






どうやら赤毛に緑の目をした美少女はリリーというらしい。
出会ったときから喋りまくりの彼女に対して黒髪の男の子はまったく喋ろうとしない。








「ちょっと、あなたも自己紹介は?」

「………」

「あ、いいよリリー。
名前がわかんなければ無口ボーイって勝手に呼ぶから「セブルス・スネイプだ」そっかセブね」





無口ボーイはアウトだったらしい。







「それにしても最初は名前言わなかったのに結局言ってくれちゃうなんてセブひょっとしてあれ?ツンデレだったり「お前が無理矢理言わせていることに気づけ














こうして早くも(多分)2人の友達がファーストネームに出来たのである。








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