02 「おかえり、リーマス」 翌日、リーマスは帰ってきた。 やはり傷だらけである。 「……ただいま」 リーマスは応えた。 やはり疲れ気味である。 「リーマス、大事な話があるんだ。必要の部屋まで、いいかい?」 笑顔だが真剣な声のジェームズにリーマスは少し不安になる。 「……うん、わかった」 こうして一同は必要の部屋へ向かった。 「……で、話ってなんだい?」 必要の部屋に入り、リーマスは早速話を切り出した。 リーマスは少し不安だった。 ここにいる全員が自分が人狼であることを受け入れてくれたが、もしかしたら……と。 しかし、ジェームズの口から出た言葉は予想外のものだった。 「リーマス、僕らはアニメーガスを習得することに決めたんだ。」 「………え?」 リーマスはポカンと口を開けた。 「ずっとずっと考えたんだ。僕たちにできることは何か。」 「考えて考えて、唯一思いついたのはこれだけだった。」 「何年かかるかわからない。その間に脱狼薬が完成されるかもしれない。でも、僕らは必ずアニメーガスを習得して、満月のときも動物の姿で君の傍にいるから、」 「だから少し待っててくれないかな?」 「………」 ジェームズが考えていたことは、話そうとしていたことはこのことだったのだ。 初めから不安になる必要なんてなかった。 「………ありがとう、みんな」 顔を上げたら涙が出そうで、リーマスは俯いてお礼を言った。 その後彼らは以前より頻繁に図書室へ足を運ぶようになり、 三年後ようやくアニメーガスを習得したという。 |