02 「まぁでもこっちの話って言われましたけどね」 「……君は何故グリフィンドールになったのじゃ?」 「………さぁ」 ファーストネームは目を伏せて紅茶を飲んだ。 「強くなりたいです、って帽子さんに言ったら守りたい人を守れるようにとか私を守る人を見失わないようにとか……迷ったとき自分で道を拓けるように、とか」 「ふむ」 ダンブルドアはにっこりと笑った。 「ファーストネーム、君は実に勇気に溢れている。賢く才能があり優しい子じゃ。」 「なんか照れますね」 「それ故にいざというとき全部を守ろうとして、本当に守りたいものを忘れそうじゃ。」 「………」 「それにきっと君はいつも守る側にあろうとするじゃろう? 君には守られる勇気がない。」 「………」 「君が迷わずにその勇気を正しく生かせるように帽子はグリフィンドールを選んだんじゃないかとわしは思うのう」 「………なるほど」 ファーストネームは目を伏せたままだった。 「さて、そろそろ今日のティータイムはおしまいじゃ」 「……また呼んでくださいね」 「勿論じゃよ」 ファーストネームは椅子から立ち上がってドアの前に立った。 そのとき、 「ファーストネーム、君はリーマス・ルーピンをどう思う?」 ダンブルドアが言った。 「え?どうって最きょ……いえ、またと巡り会えない大切な甘党仲間だと思ってます」 本音が垣間見えた。 「そうか。それは素敵じゃのう」 ダンブルドアのこの質問の意味なんて、ファーストネームは知らなかった。 |