静かな月夜 - 4
ムーンは大きく、深く息を吐いた。

「……もう大丈夫よ。ありがと、ローレ」

笑顔でローレを見上げる。

「そっか。安心したよ」

ローレも笑顔で返す。
夜空には月が輝いていた。星もキラキラと光っている。

「きれい……」
ムーンが空を見上げてつぶやく。
「そうだな、本当にきれいだ」
ローレも月を見つめる。

ムーンの横顔がどこか月のように見えるのは気のせいだろうか―――。

しばらく空を見ていたが、やがてローレが伸びをした。
「さあ、明日も早いし……もうそろそろ寝ようぜ?」

ムーンも欠伸をしていた。
「そうね。寝坊しても困るしね……」

ムーンは部屋に戻ろうとした。
その時、ローレに両肩をつかまれた。
「えっ?」
「寝る前にちょっとだけ顔見せてくれよな?」
ムーンの目線と同じ高さにローレの顔。自然と顔の距離が近くなる。
「ローレ………」
ムーンの顔が赤くなる。鼓動も早くなるのがわかる―――。

その時だった。

「あれ?2人ともこんなところで何してるの?」
ローレは頭を抱えた。サマルの登場である。
「いや、べっ、別に何もしてないわよ!あっ、明日もあるし、私!もう寝るわね、おやすみ、ローレ!」
ムーンは小走りで部屋に戻った。

「あれ?ムーン顔赤かったけど、カゼかなぁ?」
首を傾げるサマルの後ろ………
「おーまーえー………」
震えるローレがいる。

「そこに座れぇぇぇぇ!!!」
「えっ?何で?」


その後、1時間に渡り長ーい説教をローレに聞かされましたが、次の日も相変わらずケロッとしているサマルくんでした。


end
prev * 205/243 * next
+bookmark
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -