やわらかな日差し - 2
「姫様、外に出られてはいけませんよ。王様からお叱りを受けますから……」

門番の兵が困った顔をする。ところがアリーナは何食わぬ顔で答えた。
「だいじょうぶ!クリフトがいっしょだから!ね、早く通してよ!」
「いや……しかし……」
門番もまだ粘る。
しかし、ここでクリフトが口を開いた。
「分かりました。王様には私から言っておきます。姫様は私がしっかり護衛しますから、どうか通してもらえませんか?」
本当のところ護衛など不要。それは2人も分かっていたが、まあいい口実だし仕方ない。
しかしクリフトの顔は真剣だった。
「クリフト……(ちょっとカッコいいかも……)」
アリーナが自分を見上げているのには気づかないクリフト。

「……仕方ありませんね。但し、あまり遠くには行かないで下さいよ」
「ありがとっ、じ、じゃあ行こっか!」
「はい、姫様」
2人ともやや照れ気味に城を出ていく。その様子を見ていた人物がため息をついた。
「まったく……見ているこっちが恥ずかしいわい……」


外は暖かく、心地よい風が吹いていた。最近はいい天気が続いている。

2人はしばらく歩いたが、その間クリフトの顔は赤らみっぱなしだった。というのも、アリーナがずっと自分の手を握っていたからだ。

アリーナ自身は、手をつなぐことに特別な意味は感じていないようで、顔が赤いクリフトに「どうしたのクリフト?熱でもあるの?」と尋ねている。

「い、いえ、何でもありませんよ、姫様。大丈夫です」
「そう?なんかクリフト顔赤いから……」
そう言われてますます赤くなる。
「ほんとに大丈夫なの?」
「はい、ご心配なさらず。ところで、どこに行くのですか?」
「もうちょっと。すごくいい場所があるのよ」

そう言うと突然アリーナが駆け出す。
手はしっかりつながれていた。まあ、アリーナが引っ張っているから仕方ないかもしれないが。

「着いたわ、ここよ。クリフト、座ろっか」
アリーナが立ち止まってその場に腰を下ろす。ようやく手が離れた。
「はい、お隣失礼します」
クリフトもそう言って、アリーナの横に腰を下ろした。
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