あの頃のままで…… - 5
「……しかし驚いたな、みんな国の代表になっちゃったわけだ」
「ええ、いろいろ大変よ。忙しいわね、女王の仕事も」
「その調子なら、ムーンブルクは復興したみたいだな」
「うん、まだ完全じゃないけど。ムーンペタの人たちが城に来てくれて、とっても助かったわ」
「良かったー、僕心配してたんだ」
「ありがとう、サマル。ローレも……あなたたちからも支援してくれたおかげよ」
「そりゃな、親友だから当然のことをしただけさ。な?サマル?」
「あれ?冠が無い……どこ行っちゃったんだろ?」
「……お前ほんとに変わってないな……」
その時、さっきの兵士が走ってきた。
「王様!ダメじゃないですか、大事な冠を落とされては……」
「なあ……お前ほんとに王様なのか?」
「私もそう思ったわ……」

こんなのが王で、サマルトリアはこの先大丈夫なんだろうか?と思ったのは俺だけかな?

「ま、何はともあれ、また会えたんだ。今日はゆっくりしてってくれ。じゃ、パーティーに行こうぜ!」
2人も満面の笑みを浮かべていた。

その夜、俺たち3人はパーティーを思う存分に楽しんだ。


「楽しかったわ、ありがと、ローレ」
「ああ、また来年も来てくれよな」
「来年はうちが候補地なんだけどな……」
「……いや、オリンピックじゃないから」
「でも、サマルトリアでやるのもいいわね。その次はムーンブルクに来てほしいわ」
「そうだな、じゃ、来年は……サマルトリアで!」


みんな大人になっていくと、子供の頃の純粋な心がなくなっていく、って言うけど、俺はこの気持ちを、ずっと無くさないでいこうと思う。
これは、何よりも大事なもので、大事なことだと思うから。






未来は永遠に―――






そして心は―――






あの頃のままで―――。






end
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