あの頃のままで…… - 3
俺は意を決して、悩みを話すことにした。
「ムーン、お前やっぱすげーよ」
「どうしたの?急にそんなこと」
「最近よく考えてしまうんだよな。この旅が終わったら俺たちはまた離れ離れになるのか、ってな」
「ローレ……」
「さっきもそれを考えてて。そう考えたら怖くてな。……子供みたいだろ?さっきサマルにあれだけ言っときながら……」
言いながらちょっと恥ずかしくなってきた。

すると、明るい声が聞こえた。
「いつものローレらしくないわよ!私たちはずっとそばにいるじゃない。大丈夫よ」
「僕だってローレがいなくなったら嫌だな」
今隣にいる2人は俺の仲間以上の存在だった。

「……ああ、2人ともありがとな、元気出たぜ」
俺は改めて2人に感謝した。……のだが。
「そしたら、別の王子を誘わなくちゃ……」
……サマルさん、また突っ走ってらっしゃる……
「……おい、勝手に話を飛躍させるな」
「でも……どこの王子にしようかなー、ラダトーム?それともデルコンダルかな?」
「おい!!」
「何だよー、今大事な話してるんだから、邪魔しないで欲しいんだけどな」
「どこが大事な話だ……思いっきり未来の話してたじゃねーか!しかも俺消して!」
「えっ?僕そんな話してた?」
「……サマル、あなた……」
こればっかりはムーンもお手上げである。

「とにかく、今は今だから。3人でハーゴンを倒して、後のことはそれから考えたらいいんじゃない?」

珍しくまともな意見に、俺はすっきりした。

「ああ、よし、絶対ハーゴンに勝つぞ!」
俺たちは笑い合って立ち上がり、決意を新たに旅を続けるのだった。
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