あの頃のままで…… - 2
「……じゃ、行こうぜ」
……俺、すげえサマルに振り回されてるよな……。
まあでもいいか。
この2人といる今の時間がとても楽しいものだっていうのは、認める。
それに、この2人がいなかったら今の俺はいない。
そう考えたら、なんか2人に感謝しなきゃな、って思って。って、うわっ!
ゴツン!
「痛ぇっ……」
「ローレ、大丈夫!?」
サマルが覗き込んでくる。顔、近っ!
「あ、ああ……」
「ローレ、気をつけてよ、小石につまずくなんて……」
「ドジだね〜」
「お前にだけは言われたくねーよ!」
涙目になってると思うけど、構わず突っかかった。
「ローレ、サマル……ちょっと座らない?」
そう言いながらムーン、すでに座ってるし……。
俺とサマルはムーンの両隣に腰を下ろした。
「いい風だね……」
サマルが大きく伸びをする。
「ええ、少しゆっくりしましょ。たまにはいいでしょ?ローレ?」
「ん?ああ、いいかもな」
「今あなた上の空で聞いてたでしょ」
「ぃ……ごめん」
素直に謝る。ムーンが怒ったらえらいことになりそうで……
「もう、最近何かあったの?ローレ、なんかここんとこおかしいわよ」
「まあまあ、ローレもいろいろあるんだよ。きっと」
「お前は中年の大人か……」
「フフッ……サマルといるとなーんか調子狂っちゃうわね」
みんなその場に寝転がり、雲1つない青空を見つめていた。