快晴の真昼 - 3
「それよりさ、この世界にはこのエスタード島しかないって本当なのかな?」
アルスがふと口にする。
今、グランエスタードの学者もそうなのだが、世界には本当にこの島しか無いのか、という疑問が上がっている。3人とも、好奇心旺盛な点では共通しているので、この話になると自然と表情が生き生きしてきた。

「私は絶対何か隠されてると思うわ…」
「僕も」
「俺も」

……議事終了。


その時…
グゥゥ…と空腹を示す音が鳴った。
「あちゃー……」
キーファが頭を叩く。
「今日も城抜け出してきたから朝から飯食ってねーんだよな…」
「全く………もう真昼じゃないのよ」
いつの間にか外は日が高く昇り、昼になっていた。
「キーファ、はい」
アルスがパンを差し出した。
「えっ、パンなんかあんのか?」
「うん、あるから今持ってるんじゃないか」
「アルス、あんたどこかズレてるわよね……変な所で用意良いんだから…」
「そうかもね」

洞窟の中には3人の笑い声が響いた。
今日も何事もなく、平和で楽しい日になるだろう…。







5秒後……
「アルス、まだパンない?」
「「食べんの早っ!!!」」

end
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