その時が来るまで - 2
「ずっと、一緒にいられたらいいね」
「えっ…?」
わたしが考えていたことと同じことを言われて、一瞬びっくりした。
「…うん」
口ではそう言ってみる。だけど、わたしは知っている。この願いは、いつか壊れてしまう。この夢は、いつか叶わなくなる。
…でも、わたしは彼の悲しむ顔なんて見たくない。だから…
「ずっと、ずっと一緒にいようね」
…笑ってそう言ってみた。
その時、わたしは暖かい両腕に包まれた。とっても、とっても暖かい彼の両腕に。
「シンシア…」
「………ソロ…」
その両腕の中で、わたしは何度も何度も無言の「ごめんなさい」を繰り返した。
ごめんなさい。
本当にごめんなさい。
あなたは、わたしの大切な人。だけど…
わたしは、「あなたの大切な人」にはなれない…。
その思いがずしりとのしかかって、気がついたらわたしは涙を流していた。
―――たまらなく、怖かった。