Theme4 ネックレス
<ネックレス>



リリザの町の宿屋で休憩しているとき、ローレが走ってくるのが見えた。

散々手間かけさせやがって、とか言ってたけど、僕だってローレを探しにあちこち回ったんだよ?ここに来るのも2回目だし。

先にムーンが「3周目でやっと見つけた」とか言うから、言うに言えなくなっちゃったんだけど。

ローレは僕と違って、がっちりした体つきだし、見た目もかっこいい。着てる鎧もすごく似合ってる。本人に言ったら怒られるけどね。

でも、1つだけ不似合いなのは、首にかけてるネックレス。


…ローレにネックレスだよ?おかしくない?

…だけど僕は何も言えない。あのネックレス、僕とローレがまだ小さかった頃に、「友達の証」って同じ物を買ったものなんだ。

僕は大事にしまってたんだけど、旅立ちがあまりに急だったから忘れてきちゃって、ローレに申し訳なく思ってネックレスのことを言えなかった。


でもある日、ローレからネックレスについて言ってきたんだ。

「お前から貰ったたった1つのもんだからな、つけなきゃお前に悪いよ」

僕は落ち込んだ。裏を返せば、それをつけてない僕はローレに悪いことをしてるんだから。

でも、ローレは笑って言ってくれたんだ。

「お前のネックレス、サマルトリアに取りに行こうぜ?」って。

何だかすごく嬉しかった。ローレが僕を認めてくれた気がして、とっても。


このネックレスは大事な「親友の証」だから、旅が終わっても大事にかけるつもりなんだ。


…ムーンを戻した後、「男2人お揃いのネックレス…気持ち悪いわよ」って言われて、2人して怒ったりもしたんだけど…


それはまた、別のお話。
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