Afterword
【あとがき】

長い一日が終わりました。この章を書くのに、実時間では一体どれほどかかったものか……思ったように書けずに、何度も何度も消しゴムを手に取りました。もちろんたとえ、ですけれども。本当に書き付けて消し去ってを繰り返していたら、きっとノートが悲惨なことになったと思います。

本章はスィルツォードの「本当の」初陣とでも言うべきでしょうか、駆け出しとしての最初の依頼をクリアする過程を描きました。あれっ、ちょっと待てよと言われるかもしれません。前の章でも同じことをやっていたじゃないか、と。
そこでちょっとした言い訳をさせていただきたいのですが……種々のソーシャルゲームを筆頭に、最近はゲーム開始時にチュートリアルをしてくれるものが多いですよね。本章はそれが終わった後の最初の戦い、というものを意識しました。本編の場合はチュートリアルのガイド役がセルフィレリカになったわけですね。それを終えて、いよいよ本番!というわけです。ボロボロにしてしまいましたが……これがゲームなら、難易度調整に文句を言われる出来でしょう。

話を戻しまして……正直なところ、チュートリアルに一章、そしてその後のスタートに一章を費やすってどうなのかな、とも思いました。ですが……なんでしょう、初めての、慣れないうちの経験って、内容が濃密に感じるので、なんとなく時間が長く感じたりしないでしょうか。慣れてきてしまうと、だんだん時間が短くなっていくような……あれっ、逆かもしれませんね。ちょっと分からなくなってきましたよ……大丈夫なのか、この先。か、書く分には長くなっちゃうのですよ……!
同行役にティマリールを起用したのは、既にスィルツォードと打ち解けていること、彼女が回復手段を持っていないことでセルフィレリカの手助けを受ける理由ができること、などの理由によります。本章では早速ちらほらと伏線を仕込みましたが、回収率はどうなることやら。

温めている設定は山のように積まれています。今後、単にこういった(討伐、調達)依頼を受ける様子をこれだけ詳しく書くことはおそらくないと思います。きっと冗長になるだろうな、と。大枠は第2編同様、前半ではキャラクターごとにスポットライトを当てていこうと考えてはおりますが、ある程度エピソードを消化したら、スィルツォードには少し遠出をしてもらおうかな、なんてことも検討中です。そこに誰かがくっつくことになるかもしれませんが……それは今後のお楽しみということで、ひとつよろしくお願いします。


【次章予告】

「見つけたよ、ぼくの探しものを」
思いもよらぬ来客から、ひとつの騒ぎが巻き起こる。
混乱の中、徐々に明らかになっていく家出少女・セルフィレリカの素性。その渦中で、クールなギルドの華は何を思う。

― Chapter 4 麗華 ―



2015.05.09
管理人:Kurom(くろむ)
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