Epilogue-12
やがて、その沈黙は破られる。アルムの口から、誓いの言葉が上がる。



―――ここに誓いを。ぼくたち全員で、1年後に、2年後に。果ては命尽きるまで、ひとつの場所に集い、友と語り合おう。

たとえ体は離れても、いつも心は同じ場所に。離れることのないように、みんなの心をしまって鍵をかけよう。その鍵を開くのは、ここにいるみんなだ。

広い空の下で、ぼくたちはずっと一緒に、いつまでも。決して破ることのできないよう、この絆を固く、固く結ぼう。


ここに、誓いを―――。



静けさが戻った。

無言のまま、皆は頷き合う。そして、円になって手を出す。一番下にアルム、そしてセリス、レイシア、ルーナ、エドウェルム、ルージャ、ノイル、アンナ、アリュード、ユリス、リズ、タア、セル、ルイ、キット、ディル、クラリス、アレク、ラルド、一番上にキース。


重ねられた20人の手が、ゆっくりと夜空に向かって上がる。ちょうどその時空が瞬き、色とりどりの花火が彼らを彩った。

キース「なんてタイミングだ。いい誓いになったな」
アルム「はい、心にしっかりと刻み込みました」

空を見上げて、2人は語る。周りには、信じる「友」がいる。

秋空に打ち上げられた花火は、名残惜しげに散っていく。それは、ここにいる20人と同じ。夜が明ける頃には、またそれぞれの分かれ道を進んでいく。その道が1つに交わるのは、また季節が一巡りした時だ。

アルム「…さあ、いつまでもここにいるのはもったいない。その時が来るまで、みんなで楽しみましょう」


アルムの声に、一同は夜空に背を向けて足を動かした。誓いの言葉は、20人全員の心に永遠に残る印として深く焼き付いたのだった。





―――時は、ゆっくりと刻まれていく。


次に会う、その時まで。


3150万回、時計の針が時を刻むまで。


片時も、忘れることなく。


空の向こうの友が微笑むこの世界で。


みんなで、みんなを想おう。


誓いは、永遠に―――。



〜Fin〜
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