Epilogue-2
ラルドたちの元に手紙が届いてから5日後。当時のアルムの仲間たちは、それぞれの生活を送っていた。
◇◇◇
???「よっ…と!」
割と小型の舟から、かけ声と共に今日の戦利品…基、食料となる大量の魚を下ろす。その額に光る汗をぐいっと拭い、彼は舟を下りた。
*「セリス、今日も精が出るねぇ」
セリス「まあ、島には若い男が少ないんでね。俺も頑張らないといけないさ」
顔馴染みの老婆に、そう答えて笑うセリス。成人した若い男性は、この島に彼を含めても10人といなかった。
セリス「…それに、明後日は島を離れるし、ちゃんと働かないとみんなに悪いしな」
*「そうだったねぇ。でも、体には気をつけるんだよ?」
セリス「ああ、長生きなばーさんの言うことだ、素直に受け取っとくとするよ。じゃ、後は任せたって伝えてくれ!」
セリスはそう言い残して、自分の家へと歩いていった。彼の家は、海岸からわずか5分歩いた場所にあった。
セリス「ただーいまっと。ふぃー、今日も疲れたぜ…」
挨拶するのもほどほどに、ばたんと床に倒れ込んだセリスは、続けてこう言った。
セリス「明後日だな、みんなどう変わったのか、楽しみったらねーな。な?」
???2「ええ、すごく楽しみだわ…!」
部屋の奥に向かって投げた問いには、短くもしっかりした声が返ってきたのだった。
◇◇◇
???3「やっほー、フレア!久しぶりーっ!」
フレア「あっ、ルーナ!来てくれたんだ、うれしい!」
内陸にある城の城下町。成長した2人の少女が、笑顔の再会を果たした。
ルーナ「2年ぶり、かな?前に会ったのいつだっけ?」
フレア「やだなールーナってば、1年前にも会ってるよー?」
ルーナ「えっ、うそっ!?」
フレア「ほんとだってば、あたしがウソついてどうすんの?」
ルーナ「あっ、そういえば会ったね。確かアリアハンだったよね?」
フレア「うん、そーだよ!あの時はビックリしちゃったよ〜!」
他愛もない話に花を咲かせる2人。「それで、今度はどうしたの?」とフレアが訊くと、ルーナは懐から手紙を取り出した。
ルーナ「じゃーん!ラダトームからの招待状なんだ♪」
フレア「すごーい!これ、どうしたの?」
ルーナ「あたしの仲間だったのがいてね、『またいつか会おう』なんて言ってて。ほんとにそうなると思ってなくってね〜。それでね、近くだし、久々に会いたかったからこっちに寄ったの。明後日の朝までいるから、色々お話できるかなって思って!」
フレア「わ〜、うれしいよ。そういえばルーナ、もう宿取っちゃった?」
ルーナ「え?ううん、まだだけど…?」
フレア「もし良かったら、あたしの家に泊まってってよ!あたしも色々お話したいし!」
ルーナ「ほんと!?やったー、ありがとうフレア!」
手を握り合って、町の喫茶店の一角で2人は笑い合っていた。