Chapter 32-10
リズやセイファーの助言で、ネクロゴンド地方へはロマリアから船でアリアハンを経由し、テドンへ行くルートが最も安全であることが分かった。

アルム「アリアハンまでキメラの翼で飛んで、そこから乗ったらダメなの?」
リズ「別に構わないけれど…はっきりとイメージできる?」

一瞬の沈黙の後、全員の声が合わさった。

一同「「「忘れた…」」」
リズ「………」


そんなわけで、結局ロマリアから船に乗ることにした。幸いロマリアはノアニールから一番近い街なので、ひとまずそこまで歩いていくことにしたのだが―――。


レイシア「モンスターが…少しも出て来ないわね…」
アンナ「ああ…ここまで出て来ないと余計に不安になるよ」

感じずにはいられなかった違和感、それは道中、モンスターが全く現れなかったことだった。ノアニールを発ってもう3時間は経とうかというのに、いまだ敵の襲撃はなく、草原には風で揺れる草の音と8人の足音だけが響いていた。

アリュード「もしかして…アルファたちが何かしようとしてるんじゃ…」
セリス「それか、もうしてるかもな。影響が出てるんだから」

考えたくない事態を、どうしても考えてしまう。結局、ロマリアに到着するまで、彼らがモンスターに出会うことはなかった。

◇◇◇

セリス「いやぁー、やっぱ気持ちいいよなー!!」

大きく伸びをして、セリスは甲板から身を乗り出した。ロマリアから出た船は順調に海路をたどり、目的地へと向かっている。この分だと、明日の夜か遅くとも明後日の朝にはアリアハンに着けるかもしれない。

アルム「何もかも終わったら、こうやって船旅するのもいいかも…」
セリス「おっ、分かってんじゃねーか!」
レイシア「もう…2人とも、海に落ちても知らないわよー!」

甲板の端ではしゃぐ2人に、レイシアは遠くから声をかけた。

セイファー「この戦いが終わったら、ボクたちも少しだけこの世界を見て回ろうかな?」
レイズ「そうだね、まだまだ知らないことがいっぱいあるかもしれないし…」

そんな会話も飛び交うほど、平和な時間が流れていく。8人を乗せた船は、大海原を速いスピードで、それでいてゆっくりと進んでいった。
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