Chapter 32-8
それから少しして、4人はリズの家から出た。リズが言うには、昼間に出て行けば村人に出くわしやすいので、色々と面倒に巻き込まれるかもしれない、ということだった。

ただでさえ閑散としていた村だったこともあるし、夜に出れば誰かに会うことはまずない、4人はそう思っていた。ところが、その期待は見事に裏切られた。村を通っていた時、4人は初老の老人に出くわしたのだ。

*「…この村に何の用だ…」

その声はひどく冷たい。風貌からして村長であろうが、冷ややかな目線がリズに向けられていた。

リズ「そんなことを言う必要性は感じませんが」
*「そこに連れているのも、どうせろくでもない落ちぶれ者だろう。わしらの村をこれ以上汚すつもりか?」
リズ「この村は少しも汚れてなどいません。ご自分が治める村なのに、随分悪く言うんですね」
*「…早く出ていけ。もうこの村はお前の居場所ではない!」
リズ「言われなくてもそのつもりです。私ももうこの村を自分の住所とは思っていません」

リズはきっぱりと告げ、早足で宿屋の方へ歩いていった。3人は突然歩き出した彼女を慌てて追いかけた。

と、少し進むとまた村人に会った。今度は若々しい青年だった。

???「お前…」

青年はリズの姿を認めると、目を見開いた。この男もリズを蔑むのか、と3人は嘆息したが、それは違った。

???「リズ!帰ってきてくれたのか、無事で良かったよ!」
リズ「えっ…もしかして、ロディ?」
ロディ「ああ、そうだよ!1年半ぐらい会ってなかったからな、仕方ないか」

ロディはリズに微笑みを向けた。リズも、ロディに笑いかけている。ロディは4人を連れ、宿屋に向かった。部屋が満室でも、入り口のソファーになら座れるだろう、と。

◇◇◇

ロディ「そうか…色々大変だったんだな。俺も頑張らないとな…ところでリズ、もう親父に出くわしたか?」
リズ「…ええ。あの人はまるで変わってなかったわ」
ロディ「全くだ。本当に悪いな、毎回何て言えばいいか…」

聞く話によると、ロディはあの村長の息子で、この村で唯一のリズの理解者のようだった。それを知って他の3人も安心したのか、ロディにこんな問いをした。

アンナ「1つ聞いていいかい?どうしてリズはあんなに避けられるんだい?ただオッドアイだからってのは、どうも漠然とした理由な気がするんだけどね…?」

ロディは少し間をおいてから、その問いに答え始めた。
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