Chapter 21-9
翌日、5人は馬車でリムルダールに向かう形でラダトームを発った。リムルダール港から、ムーンペタ港に船が出ているという情報を入手したためだ。リムルダールに着くと、確かに人が2日前よりも多かった。きっとムーンペタに向かう人がたくさんいるのだろう。

リムルダールから港へと向かう途中、セレイスは昨日の一件を頭で整理した。そして、とうとう1つの結論にたどり着いた。

セレイス(そうか…やっぱりそういうことだったのか…!)
アルム「あの…先生…?」
セレイス「…あっ、ごめん、何かあったかな?」
アルム「いえ…そういうわけじゃないんですけど、何かすごい怖い顔してたから…」
セレイス「えっ…僕がかい?」

思わぬ言葉に驚いたが、アルムは確かに「はい」と答えて首を縦に振った。どうやら考えこむあまり、表情もかなり険しくなっていたようだ。

セレイス「あ…ごめんね、何でもないよ」

いつもの柔和な表情に戻る。それに安心したのか、アルムも「大丈夫です」と笑って返した。

◇◇◇

ムーンペタの港もかなり混んでいた。こちらからアレフガルドに向かう人も大勢いたようで、5人はムーンペタの街まで行くのにさえ苦労した。


セレイス「ひとまず、ムーンブルクに行くよ。世界中全ての国を回らないといけないからね」

セレイスについて、街を出る4人。ルプガナやラダトームより南に位置することもあり、冬ながらずいぶんと暖かい風が吹いていた。しかし、ここでもやっぱり見慣れないモンスターばかりが現れた。それでも、この数日でかなりの数を戦ってきた彼らは、最初の時ほど苦にすることはなく、ムーンブルクにも何の問題もなく到着することができた。

アルム「ムーンブルクには…通行証とかはないんですか?」
セレイス「そのはずだよ。ムーンブルクにはほんの何度かした来たことがないけど、お城にはちゃんと入れたし…」

過去の記憶を手繰り寄せながら話すが、現状から言って、ラダトームのように突然、ということも十分に有り得た。だから城の門番が快く通してくれた時、誰もが安心した。

セレイス「次の部屋が王の間だね。みんな、粗相のないようにね?」

わずかに小さな声で4人に注意するセレイス。4人が頷いてすぐ、王の間へと続く扉が開かれた。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -