Chapter 21-7
セレイス「セイファーの次は君か…どうしたんだい?」

自分たちの使っている部屋にレイズを招き入れたセレイス。セイファーと違ったのは、天使の姿か人間の姿か。街中にやって来たレイズは当然、後者の格好をしていた。

レイズ「僕もセイファーも、ラルドさんに頼まれて伝言役…お知らせ役をやってるんだ」
セレイス「…そうだったのかい?」
レイズ「うん。それで、最近色々おかしいからさ、アレクさんにも伝えなきゃって思って、すっ飛んできた」

レイズはそう前置きして、話を始めた。

レイズ「デルコンダルじゃ、ちょっとした反乱が起こってさ、兵士たちが二軍に別れて争ってる」
セレイス「本当に!?あのデルコンダルが…?」
レイズ「それより心配なのはディルさんで、キットさんに聞いたんだけど、昨日は寝てる時まで頭が痛かった、って言ってるんだって。2人とも今はベラヌールにいるんだけど」

セレイスは少し心配になってきた。彼の頭痛が一連の異変と関連があるのかどうかさえはっきりしない現段階では、手の施しようがない。正体、原因不明であるだけに、余計に不安だった。

レイズ「ちなみに、クラリスさんたちは今ペルポイにいて、ラルドさんたちは確かリリザにいたよ」
セレイス「分かった、じゃあ僕からも、伝言お願いできる?」
レイズ「もちろん。使ってくれるだけで、何だか嬉しいんだから」

レイズは、なるほど確かに表情が生き生きして見えた。

セレイス「うん、じゃあ………と…が………で………。よろしくね」
レイズ「オッケー。じゃ、またね!」

セレイスからラダトーム国と、ファッグとトゥーダの件を聞いたレイズは、すぐさま2人の元へと向かっていった。


それからしばらくして、アルム、ルーナ、ルージャが戻ってきた。その中に1人だけ、セレイスには妙にやつれて見えた者がいた。

セレイス「…アルム、大丈夫かい?」
アルム「…先生、ルーナとルージャをよろしくお願いします」

アルムはそれだけ言うと、素早くベッドに潜り、寝息をたて始めた。

セレイス「(早っ…)ルーナ、ルージャ、一体何があったの?」
ルーナ「…何もなかったよ、とっても楽しかった!」
ルージャ「ボクも!!」
セレイス「楽しかった…?」
ルーナ「このペンダント、前から欲しかったんだー♪」
ルージャ「この小さい袋も、あったらいいなって思ってたし…」

そういうことか。真相を知った途端、あまりにアルムが不憫に思われ、セレイスは苦笑いを禁じ得なかった。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -