Chapter 20-14
ルーナ「…あれ?こっちにもあるんだけど…?」
アルム「ああ、そっちはベラヌールに通じてるから違うと思うよ」

分かれ道で足を止めるルーナに、アルムが声をかける。

ルプガナ平原北の祠から、まずはこの祠に飛んできた5人。道なりに進み、この分かれ道に来たのだ。セレイス曰く、「真っ直ぐ行けば旅の扉がある」というので進んでいたが、十字路に差し掛かった所でルーナがふと左に目をやったところ、奥に青い渦巻きが見えた。そこで最初の台詞に戻る。

セレイス「うん、アルムの言う通りだよ、その扉はベラヌール大陸に通じてるんだ。今回は…」

セレイスはそのままわずかに走って曲がり角まで行くと、こちら側から見て左を指差した。

セレイス「こっち。まあ来てごらんよ」

アルムとセレイスの2人に言われれば、さすがにルーナも納得する。すぐにセレイスに従い、先にある渦巻きに順に入っていった。

◇◇◇

???「あっ、みんな!」

セレイス以外は、今いる場所すら把握していない祠。その旅の扉から出てきた5人を待っていたのは、背中に羽の生えた天使だった。

アルム「セイファー!!どうしたの!?」
ルーナ「わー、天使だー♪」
ルージャ「すごいすごい!空飛んでる!」
セレイス「やあ、セイファー。どうしてここに?」
セイファー「こんにちは。実は、ラルドさんから話を聞いて、ラダトームに行ってきたんですけど…これを」

口々に言葉を発する彼らの中で、タアだけは何も言わず、我関せずといった感じで祠の壁に寄りかかっていた。セイファーは羽をぱたぱたさせて空中に浮かびながら、セレイスにあるものを手渡した。

セレイス「…これは?」
セイファー「ラダトーム城の通行証です。それがなかったら、お城に入れないみたいで…」
セレイス「通行証?」

セレイスは訝しげに、渡された通行証に目を落とした。確かにラダトーム国印もあるし、公式に発行されているものらしいといえばらしいのだが、どうにも疑わしい点があった。

セレイス「あの王様が…入城を制限したりするかなぁ?僕は何度かお会いしたことがあるけど、あの方は民間人や旅人の意見を尊重されていたはずだよ…?」
セイファー「ボクも詳しくは分からないんですけど…」

セイファーはそう言って、城下町で聞いたということを話し始めた。
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