Chapter 20-9
タア「へっ、面白ぇじゃねぇかよ!!」
タアが大剣を振りかざして、敵に突っ込んでいく。その後ろから、アルムも追撃を加えるべく向かっていく。タアの一撃が見事に決まり、モンスターたちに大きな深手を負わせる。さらに、ルーナとルージャが呪文で攻め立てる。とどめとばかりに、アルムは辛うじて生き残っていた2体のモンスターに狙いを定め、素早く鮮やかな4段攻撃を繰り出した。
セレイス(あれは…セルのフォースソード…!?)
それを見て、セレイスが驚いたのは言うまでもない。アルムの攻撃により、モンスターは全滅したかに思われた。
ルーナ「今度こそやったね!」
ルージャ「良かったー、勝てて!」
タア「結構打たれ強ぇ奴らだったじゃねぇか…」
アルム「だけど、攻撃を受けなくて良かったよね!」
一息つく4人だったが、セレイスだけは険しい表情をしていた。そして突然、ルーナの方に向かって炎の玉を放った。
ルーナ「!!!」
突然のことに身動きを取れず、目を強く瞑るルーナ。火球はわずかに右に逸れ、ルーナは瞬間的に熱さを感じただけだった。しかし、それがセレイスの狙いだった。火球はそのまま、ルーナの背後に迫っていた先程の生き残りのモンスターに直撃し、モンスターを灰に変えた。まだ戦闘は終わっていなかったのである。
セレイス「…4人とも、すごいチームワークだったね。僕がいらないくらいで…本当びっくりしたよ。でも」
セレイスの顔から微笑みが消え、厳しい表情に変わる。
セレイス「詰めが甘かったね。戦場では、一瞬の油断が命取りなんだ。敵を倒したと思って、すぐにはしゃいだのはまずかったね。次からはもっと注意するんだよ?」
普段のセレイスからは考えられないような表情、そして鋭くも正しい指摘に、4人は素直に返事をするほかなかった。
セレイス「分かってくれればいいんだ。さあ、気を取り直して行こうか!」
再びセレイスが先頭に立って歩き始める。その後を、先の戦いを反省しながら4人がついて行った。