Chapter 19-12
ゼクトル「何だ、どうしたってんだ?」
シェルト「ずいぶん慌てた様子ですが…何があったんですか?」
セイファー「はい、リリザの町に、つい最近ロエンを見たっていう人がいたんです!」

「「「!!!」」」

セイファーの言葉に、5人全員の表情が変わった。今までも懸命に探していたのだから、これは当然の反応なのだろうが。

アーロン「それは本当なのか?」
レイズ「本当だよ、2日前にリリザの宿屋に泊まってったらしいんだ。セイファーがロエンの特徴を言ったら、間違いないって宿屋の人が言ってた!」

これはかなり期待できる目撃情報となった。セレイスとシェルトが、リリザに向かうのに名乗りを上げた。

セレイス「僕、リリザに行ってみるよ!」
シェルト「私も同行しましょう」
アーロン「…ああ、任せた」

そう頷くアーロンに頷き返すと、2人はすぐに部屋を出て行った。一時は驚いたアーロンであるが、もう完全に落ち着き払っていた。

アーロン「一筋縄では行かない可能性があるな」
ゼクトル「…どういうことだ?」

怪訝そうに問うゼクトルに、「考えてもみろ」とアーロンは椅子を立った。

アーロン「シートルが無事だったとして、なぜすぐにルプガナに戻って来ないのか、何かしらの理由がなければおかしい。シートルの身に、何かが起こっているのかも知れん」
メリー「ロエンが教習所に戻りたがらないから、っていうのは考えにくいし…そうね、もしかしたら本人が深く傷つく出来事があったりしたのかも知れないわね」
ゼクトル「けど、どっちにしろロエンが無事に生きてるってのはかなり確実になってきたんだろ?だったら、俺らに出来んのはあいつを守り直すことだよな。もう終わりまで日が無えだろ、俺らは俺らなりに、最後まで役目を果たそうぜ!」

ゼクトルの決意が表れた言葉に、アーロンとメリーの2人も強く頷いた。そうしてセイファー、レイズと共に、リリザに向かった2人からの朗報を待った。
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