Chapter 13-8
レイシア「すごいじゃない…最初にやった時とは、比べ物にならないわ…」
ロエン「…僕は、レイシアに勝つことを目標にして訓練を受けて来たんだ、今度こそ絶対に負けない!」
レイシア「…でも、私だって、手を抜くつもりは無いわよ!」

2人はその表情に微笑を湛えながら、体勢を戻して相手の方に向き直った。

レイシア「…いくわよ!」
ロエン「そっちこそ!」

またぶつかり合いが始まる。しかし、今度は先ほどまでのように牽制しあう様子が全くない。ただ攻撃に徹する攻め方である。

レイシアのストレートを右にかわし、そのままロエンは左足での蹴りを当てにいく。レイシアはそれを屈んで避けると、再び足払いにかかる。今度はロエンも読んでいたのか、ジャンプしてそれをかわす。そして、そのままレイシアを飛び越えて着地するや否や、彼女に鋭い蹴りを放った。

アルム「…えっ?」

思わず、アルムが声を漏らした。それほど意外なことが、目の前で起こったのだ。ロエンの蹴りは、レイシアに正確に当たった。わずかに後ろに吹っ飛ばされるレイシア。しっかりと受け身をとり、地面に倒れることは免れたが、立ち上がった瞬間に脇腹の痛みが彼女を襲った。

レイシア「…っ…!!」

脇腹を押さえて少しよろめくレイシア。何度か深呼吸をした後、再び戦う姿勢をとった。そして、全速力でロエンに突っ込む。が、この時のダメージは大きく響いていた。

アルム(レイシアの動きが…ちょっと遅くなってる…)

そう、痛みは消えなかった。レイシアはロエンと攻防を繰り広げている今も、変わらない痛みと闘っていた。アルムは今の状況から見て、ロエンとレイシアとの力の差はほとんどないように感じていた。

その推測は正しく、攻防を見る限りではどちらが上回っているのか判断がつかない。五分にかなり近いのではないか、そう思われた。
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