Chapter 13-2
セリス「…そうか、そんなこと考えてたのかあの先生は。ん…アルム、お前それ食わねーの?」

この日の昼食で、先のアーロンへの質問とその答えの話をしたところ、セリスもレイシアも納得したように頷いていた。が、セリスはどちらかと言えば興味が薄いみたいで、アルムが手をつけないでいる料理を指差して聞いた。

アルム「…うん、何かお腹があんまり空かなくてさ…」
セリス「…そう言われりゃ、確かに今日は動きが少なかったしな…じゃあ、俺が貰っていいか?」
アルム「うん、いいよ。レイシア、ごちそうさま」
レイシア「あ…うん、どういたしまして」

アルムは、そのままゼクトルとの個人指導に向かった。一応、あれからずっと続いているのだ。


ゼクトル「お前、大分剣の腕上がったな、びっくりだぜ」
アルム「本当ですか…!?」
ゼクトル「ああ、嘘じゃねえさ。次の技が、俺が教えられる最後の技だ。それより後は、自分で見たり、真似たり、生み出したりする世界だからな、俺が他のヤツに教えたりできるような技じゃねえ」

最後の技―――つまりそれは、ゼクトルとの個人指導ももうすぐ終わるということだった。

ゼクトル「最後の技は…これだ」

ゼクトルは軽く剣を一振りした。すると、岩が見えない刃に切られたかのように真っ二つになった。そう、アルムたちが今まで幾度となく目にしてきた、出来そうで出来ない剣技。

ゼクトル「こいつの名前は、エアスラッシュ。空気の流れと相手の「虚」―――まあ隙のことだな―――を見切って、自分は気を発しないように剣を振る。自分が気を発してたら、空気の流れが乱れるから邪魔なんだ。理屈は分かったか?」
アルム「あっ、はい」

アルムはこくこくと頷いた。が、次のゼクトルの言葉に、アルムは驚いた。

ゼクトル「それとな、この技はお前も知ってる、あのキースが考えた技なんだぜ?」
アルム「えっ、本当ですか!?」
ゼクトル「ああ、だからこれを使えるヤツはまだそんなに多くねえな。頑張れよ!」
アルム「…はいっ!!」

あのキースが考えた技なら、いつも以上に燃える。この日から、エアスラッシュを会得するための、アルムの必死の特訓が始まった。
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