Chapter 13-1
次の日の朝、ルーナは訓練を控えているためここでフレアと別れることになった。

ルーナ「フレア、楽しかったよ!またいつか遊ぼうね♪」
フレア「うん、わたしも!ルーナも、訓練頑張ってね!」

最後に抱擁を交わし、2人は別れた。その日はずっと、ルーナの表情はいつも以上に生き生きしていた。

◇◇◇

それから数日後。

アーロン「…いいか、属性が炎であるモンスターには、メラ系、ギラ系、イオ系は使うな。魔力の浪費に終わる。一般に、炎系の敵に使うならばヒャド系やバギ系、そしてデイン系が有効だ。覚えておけ」

この日から、戦術学では「敵との相性による攻撃呪文の選択」を習っていた。原理はアルムたちも分かっているはずだが、アーロンの訓練には決まって小難しい言葉がつきまとうため、年齢によっては国語的な部分でつまずく生徒もいた。

ルーナ「…???」
レイシア「ルーナ、後で私が説明するわ」

ルーナも、訓練から置いていかれそうな1人だった。この様子を見て、アルムは訓練が終わった後に思い切ってアーロンに聞いてみることにした。

アルム「せっ、先生!」
アーロン「ん?レンバートか、なんだ?」
アルム「先生の説明が…その、難しすぎて…よく分からないんですけど…」

途切れ途切れに言うと、アーロンは1つ頷いて、こう返した。

アーロン「戦術自体は、さほど難しいものではない。それを私が、意図的に難しく説明しているだけだ」

アルムは一瞬、アーロンの言葉の意味が分からなかった。

アルム「えっ…どうしてですか?」
アーロン「お前たちに、頭を使わせるためだ。頭を使って理解したことは、記憶に強く残る。実際に敵と相対した時に、上辺だけの知識しかなければそれらは全て吹き飛ばされる。それでは、訓練の意味がないだろう?…それが答えだ」

そう言うと、アーロンはくるりと背を向けて屋敷に入っていった。

アルム「やっぱりあの先生…すごい人なのかも…」

アーロンの説明を聞いたアルムは、心の底からそう思った。
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