Chapter 10-11
裏庭に到着したアルム。だが、そこには既に先客がいた。

アルム「あれ?エド…どうしたの?」
エド「あっ、アルム。いや、ちょっとノイルが泣き出してさ、おれ邪魔かなと思ったから出てきたんだ。アルムは?」
アルム「そうなんだ…。ぼくは…ちょっと剣の練習をしに来たつもりだったんだけど…どう?ルージャは?」

聞いてみると、ルージャはまだ戻らないらしい。エドは「おれが知ってる喧嘩の理由…話そっか?」と言って、アルムが頷いたのを見て話し始めた。

エド「魔術学の訓練の前に、ノイルが使ってる鎌が無くなってたらしいんだ。普段部屋に置いてる物だし、部屋に鍵もかけれるからさ、おれとルージャが最初疑われてたんだ」

アルムはうんうん、と相槌を打ちながら続きを促した。それにしても、なぜノイルは武器に鎌を使うのだろうか?と、一瞬余計なことを考えたが。

エド「でも、時間が無くて隅々まで探せてなかったから、訓練が終わった後にみんなで探してた時、ルージャが財布を落としたんだ。何かやけに慌ててたから怪しいと思って、ノイルが財布を見たらお金がいくらか増えてたんだ、始めに見た時より」

アルム「それで…?」

エド「そん時にルージャが、庭に落ちてた鎌を売ったって言うんだ。それがノイルのやつだったとは思うんだけど、ノイルは「ぼくは庭にやったりはしないから、ルージャは嘘ついてる」って言ったんだ。そしたらルージャは「ボクは庭に落ちてたやつを拾って売ったんだ」って言ってさ。それでこんな喧嘩になっちゃったんだ」

アルムは脳内で要点を整理した。要はルージャが売った鎌があったのは部屋か庭か、これによって犯人が決まるわけだ。

アルム「そっか…でも、ずっと使ってきた鎌だったんだよね?それじゃあすごい落ち込むよ…」
エド「いや、ノイルはそんなにあの鎌を大切に特別扱いしてはなかったと思うよ。「切れないなー」とか「もっといい鎌欲しいなー」とか文句言ってたから…」
アルム「えっ、そうなの…?(…てことは、もしかしたら…)」

その言葉を聞いて、アルムはうっすら、この喧嘩の原因である鎌紛失の真相が見えたような気がした。
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