Chapter 3-8
港町ルプガナ。

各地から観光や貿易などの船が訪れ、港はいつも活気に満ち溢れている。町自体はそんなに人は多く無いのだが、港だけならラダトームよりも賑やかかも知れない。

また、この町には、世界有数の富豪が住んでいる。キースの育てられた家である。そう、ここルプガナは誰あろうキースの故郷でもあるのだ。
キースの旅立ちの時は、おじさんがラダトームまで船を出してくれたから行けた。つまり、ここに帰るつもりは無かった――のだが。

「悪いな、俺のわがままでこんな所まで連れて来ちまって」
キースは旅の予定を突然変えたことを二人に謝った。
「キース、僕たちはここにも来たかったんだよ! ね、クラリス!」
「その通りよ、こんなに賑やかな町、来ないのは損よ」
アレクとクラリスがキースに言った。
「ありがとうな。俺、ちょっとおじさんと二人で話がしたいんだ。しばらく町を見物しててくれないか? 特に港は飽きないと思うぜ」
キースは二人にそう告げると、立派な屋敷に向かって歩いて行った。二人には、その背中がどこか寂しげに見えたのだった。
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