Chapter 1-2
「……!」

足を踏み入れた後、キースは何か違和感を覚えた。うまくは言えないが、辺りを取り巻く気というものが変わったのを感じた。かすかに漂う、禍々しい闇の気配。キースは慎重に一階部分を歩き、地下へと続く長い階段を見つけた。どうやら城の上部は吹き抜けになっているらしく、上には行けそうもない。となれば、移動が可能な場所は地下をおいて他にはないだろう。

階段を降りると、先程よりもわずかに闇の気が強く感じられた。
(嫌な感じだ……こりゃもしかして、相当ヤバい奴がいるんじゃねーか……?)

微妙な変化ではあったが、キースは全身でその強まりを感じ取った。ここで留まるのはどうやら得策ではなさそうだった。彼は竜王の城の最深部を目指し、ゆっくり歩を進めていった。


そして、いよいよ竜王の城の最深部、地下六階。

(かなり強い気配だ…こりゃ命が危ないかもな…!)

漂う闇の気配は今までになくはっきりと感じられた。重苦しい空気がキースを包み込む。何はさておき、彼は竜王の無事は如何と玉座のある部屋に走っていった。キースがその前までたどり着いた時、玉座から低く唸るような笑い声が響いた。

「……誰だっ!!」

素早く剣を抜き、叫びつつ身構えるキース。すると、突如玉座の上に闇の球体が浮かび上がった。そしてその中から、闇の気を放っていたであろう、一人の男が姿を現した。

「フッ、また人間がやって来たか……」
「お前は誰だ……!?」
「……オレはバスラ。世界を破滅に導く者よ!」
「世界を破滅に……!? そんなこと、させるわけにはいかねーぜ!」
「やめておけ。貴様にはオレを止めることはおろか、妨害をする力すらない。逃げる方が懸命だぞ」
「……なめんじゃねーぞ!」

キースはそう叫ぶと、バスラに向かって駆け、渾身の力で剣を振るった。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -