Chapter 37-15
「おのれっ……! 余は暗黒世界神、ゼノム! その余が、脆弱な人間などに敗れるわけが無いのだ!」

立ち上がったゼノムも、また再び闇黒邪気を噴き出す。キースとゼノムの、命を懸けたぶつかり合いが始まった。
互いに一歩も譲らない。片やキースがゼノムに斬りつけたかと思えば、片やゼノムはキースの頬を殴りつける。
その様子を、六人はただ見ているほかなかった。もはや、自分たちではあの戦いに割って入れないのだ。入ったが最後、一瞬にして巻き添えを喰らう。入ってきた仲間を避けてゼノムだけに攻撃を仕掛ける余裕は、さすがのキースも持っていない。
しかし、仲間たちはその戦いから決して目を離さなかった。そして、誰からともなく願うような口調で声を出し始めた。

「キース……!」
「頑張って……!」
「負けんじゃねえぞ!」
「ぶっとばせ!」

そんな仲間たちの声援は、キースの耳にしっかり届いていた。
(みんなが俺を応援してくれてんだ、絶対に負けらんねーぜ!!)
「でやああっ!!」
一瞬の隙を見事につき、キースはゼノムの脇腹を切り裂いた。みるみる血が溢れ出る。だが、今度はキースではなく、ゼノムの血だ。

「ぐばぁっ! ……はあ、はあ……!」
ついに、ゼノムが肩で息をし始めた。後少し、後少しでゼノムに打ち勝つことが出来る。

「みんな! 俺の剣に力を貸してくれ!!」

キースはロトの剣を振りかざした。仲間たちは一心に自分の力を剣に注いだ。仲間の力を受けたロトの剣は、眩い光を放ち始めた。
「ぐっ……! 目が……!」
ゼノムの目が眩む。キースは剣を振りかざしたまま、何かを思い出すように目を伏せていた。
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