Chapter 37-8
「アレフガルドがまっ平らになっちまった……けど! これ以上、お前に世界は絶対壊させねーぞ!」
持ち主の気に呼応したのか、ロトの剣までもが白い光を放ち始めた。
しかし、ゼノムは鋭い眼光をこちらに向け、言い放った。
「お前たちは……勘違いをしておらぬか? カオス・エンドは、まだ終わってはおらぬぞ?」
上を見上げるゼノムにつられて、キースも天を仰ぐ。
そこには、先ほどゼノムが作り出したものと同じような玉が、ふわふわと浮かんでいた。そして、次の瞬間無数に弾け飛び、キースたち目掛けて降り注いだ。

「うわああああっ!!!」
「きゃあああああ!!!」

かつてない最強最悪の技だった。降り注いだ闇は、キースたち八人の体力をほとんど奪い去った。しかし、ここで諦める彼らではない。キットが、まだ隠していたのだ。
「今使うしかありません……ベホマズン!!」
残されていた魔力をほぼ使い切り、キットは起死回生のカードを出した。八人全員の体力が、完全に回復した。

「キット、助かったぜ!」
「しかし……もう魔力がありませんよ……」
キットは息を切らして、ゼノムの動きに注意する。やがて、ゼノムが口を開いた。

「……お前たちでは、余には勝てぬ」
「まだまだ分からねーよ!」
「無駄だと……言っているのだ!!」
ゼノムの姿が消えた。

ズドッ……!

皆がその音を聞いたとき、一人の人物が動けなくなっていた。ゼノムの攻撃から庇おうと、ルイの前に立っていたセルの体を、ゼノムの右手が突き抜けていた。

その一瞬が、キースたち七人には永遠の刻に感じられた。セルの表情は全く変わらない。ルイを庇うべく広げていた腕が、だらんと力なく垂れ下がった。
ゼノムの手が引き抜かれ、セルは崩れ落ちる。ほんの一瞬で、ゼノムは簡単にセルの命を奪った。

「あと七人だ」

七人の目の前が、急に真っ暗になった。
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