Chapter 30-9
「ぬぅ……!」
ラルドの流れるような剣撃に対して、バリーは防戦一方だった。ひたすら来る剣をかわしたり弾いたりするので精一杯なのだ。
しかし対するラルドも、決定打を打てずにいた。できる限りの攻撃が、全て避けられている。
仕方なく、ラルドは一旦戻った。

「くそっ、よく全部避けやがったな……」
「……いくらかは傷を負っている。しかし、貴様のあがった息で、この呪文連撃をかわせるか? バギクロス!」
強力な竜巻が巻き起こる。しかも、近くに落ちていた城の瓦礫を巻き上げた。破壊力が大幅に上がる。あれをもろに喰らえば危ない。
「はぁ、はぁ……この……!」
ラルドはギリギリの所で横にかわした。しかし次に来たのは、吹雪だった。少し反応が遅れ、体を冷やされてしまう。

さらにバリーの猛攻は続く。巨大な炎の壁が、ラルドを突き抜ける。
「ぐああっ……!」
その場に倒れるラルド。冷やされて熱せられて、彼の体力は激しく消耗していた。やはり隙が生まれたのだ。
ラルドは自分に言い聞かせるように、膝をついて立ち上がりかけた。しかし、彼の視界には、強いエネルギーを溜め込んだ手が見えていた。

「まっ……まさか……!」

初めて戦慄の表情を浮かべるラルド。何よりもこの状況がそれを物語っている。体力を失いかけて倒れる寸前のラルドに襲いかかるのはおそらく、高エネルギーの爆発だ。

「そのまさかだ。魔力を溜めたから威力も高いぞ! 消し飛べ、イオナズン!」

抑えつけられていたエネルギーが一気に解放される。ラルドの視界はあっという間に、白い閃光に包まれた。
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