Chapter 30-5
「……っ、つっ……!」

全身に痛みを感じながら、ラルドは目を開けた。見覚えのある部屋に、見覚えのない顔が見える。どうやら、ポルトガに運ばれたようだった。
「おっ、皆さん、目を覚ましましたよ!」
視界に入っていた一人の男の言葉で、町人たちが次々と寄ってきた。

「良かったなぁ!」
「無事で何よりだわ!」
「倒れていた時はどうなるかと思いましたよ!」

口々に話しかけてくる町人たち。ラルドは頭痛がするので、内心は一人になりたいと思っていたのだが、一応自分を助けてくれた人たちだし、心配もかけたことだろう。ラルドは顔に笑顔を浮かべて、町人に無事と感謝を伝えた。

「それにしても……俺は何日寝てたんだ?」
翌日、ラルドを助けてくれた町人のうちの一人、オルトと意気投合し、町のレストランで一緒に食事をとることになった。彼も一人旅の経験があるらしく、ラルドとは馬が合ったのだ。
「んーと……確か三日とちょいだな。最初の一日はピクリともしないから心配したけどさ、二日目ぐらいからは寝返り打ったりしてたから安心したよ。あ、すいませーん、おかわり下さい!」
「いや、ここはセルフサービスだと言って入っただろう」
「あ、そうか」

などと話は弾み、今日一日を終えた。
そしてそれから二日は、英気を養う意味でも、ラルドは自ら体を休めた。


三日目の朝、いよいよエジンベアに再び乗り込む日がやってきた。

「本当に、迷惑かけたな。感謝する」
「気にするな。本当に大丈夫なんだな?」
「ああ、悪いけど」
オルトはあの後、少しなら旅に同行しようかと言ってきたのだが、自分の問題でオルトを危険な目に遭わせる訳にはいかないので、気持ちだけ受け取った。
「じゃあ、元気でな!」
「ああ、また遊びに来るよ」
最後に二人は握手を交わした。
そして、ラルドは船に乗り、エジンベアへと向かうのだった。
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