Chapter 28-9
「「「「何……!?」」」」

四人は足を止める。なんとセルが立ち上がったのだ。四人はすぐに信じられなかったが、セルは血に染まった自らの剣を握って、確かに両の足で立っていた。
そして、それだけでなく。

「何だ……あいつから出てんのは……!」
「私を簡単に倒した奴も、あんなものは……!」

セルの目からは闇の気が完全に消え、希望に満ちた光を湛えていた。さらに、体全体を水色に輝くオーラが包んでいる。

「セル……?」
「ルイ……オレ、絶対お前は死なせないから……! 一人になんて、なりたくないから……!」
「……セル……!」
ルイは再び涙をこぼした。しかし、先ほどの恐怖の涙ではなく、歓喜の涙だった。
「セル、ありがとう。もうあたし、大丈夫だから……ベホマ!」
ルイがセルに近寄って血の滴る傷口に手をかざす。すると一瞬で傷口が閉じ、出血もぴたりと止まった。しかも、キースの場合と違い、失われた血は戻っているようだった。
そして、いつの間にか、ルイの瞳からも闇が消え去り、桃色の優しげなオーラが溢れていた。

「……ば、馬鹿な。こんなことが……!」
ムザルは足が動かなかった。いや、他の三人も同じだった。
セルは四人を次々に睨みつけ、声を張り上げた。それに続いてルイも叫んだ。
「よくもルイを泣かせてくれたな……まとめて倒してやる!!」
「セルの味わった痛み、倍以上にして返してやる!」
二人は何をすべきか分かっているようだった。ルイは両手にエネルギーを溜め込み、セルは剣に雷を蓄える。しかも、それは恐るべき速さで行われていた。時間にして、数秒足らず。

「あの小娘、両手にイオナズンを……!」
「あのガキも……何だあの眩しい光は!」
「あの二人は闇の側だったはずだ……!」
「われわれの攻撃の比ではない……っ!」

四人は口々に驚愕の言葉を漏らす。しかし、ルイの一撃でその言葉は消える。

「いっけえええ!! イオナズン!!」

イオナズンを超えたイオナズンが、かつてキースたちを苦しめた四人をいとも簡単に飲み込み、吹き飛ばす。
そこに、セルの追い討ちが放たれる。なぜか、初めて放つ技なのに自然と名前が口から出てきた。

「くらええええ!! ギガスラッシュ!!」
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