Chapter 28-8
しかし、ラビスが他の三人の前に出て風を巻き起こし、火球を四散させた。
「俺の力を忘れて貰っちゃ困るなぁ」
「っ……!」
ルイは悔しげに唇を噛んだ。
「くそっ、こうなったらヤケだ!」
セルは激しく剣を振り回す。だが、大振りの剣など容易くかわせる。四人はあちらにひらり、こちらにひらりと避けていく。そして何より、激しい動きは自身の体力を著しく消耗する。ものの数分も経たないうちに、セルの息はあがっていた。ついに、動きを止め、剣を地面についてよろめく。

「……はぁっ、はぁっ……!」
「もうギブアップか? ま、こっちは時間なんていくらでもあるし……ゆっくりやらせて貰うぜ」
ファライドはそう言って消える。途端に、セルの右腕に鋭い痛みが走り、その箇所が赤く染まる。
「ぐっ!」
「こんなもんじゃねえぞ? ほらよっ!」
ズブッ、という生々しい音をたて、ファライドの剣がセルの腹を貫く。その瞬間、想像を絶する激痛がセルを襲った。

「うあああああああ!!!」

ルイの見ている前で、夥しい量の血が流れる。10歳の少女が目にするには、あまりに凄惨な光景だった。

「いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
目を覆って泣き崩れるルイ。しかし、激痛の中、セルの意識は途切れてはいなかった。
「ル、イ……! 頼む、傷……を……!!」
途切れ途切れに言うも、ルイの耳には届かない。
「くっ……ル……イ……」
「さて、まだまだ時間はありますが、その激痛に長く耐えるのは辛いことでしょう。そろそろ楽にして差し上げましょうか」

ブラストの言葉に、他の三人も残忍な笑みを浮かべて頷く。じりじりと迫ってくる四人。セルは心の中で、懸命に自らを奮い立たせようとしていた。

(オレが……オレがやらなきゃ……誰がやるんだ! こんなんじゃ、一生かかってもあいつらに会えない……! オレが、ルイを守るんだ……!!)

「う……うあああああああ!!!」
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