Chapter 28-7
「お前らは……!」

ようやく回復呪文が効いてきたのか、セルが起き上がって四人を見る。
「わたくしたちを覚えていて下さいましたか?」
ブラストが前に進み出る。
「あんたたちに用なんかないわ!」
ルイはセルの前に立ちはだかった。
「ところが残念なことに、こっちは用ありなんでね」
次はファライドが答えた。
「お前たち二人を殺せと、ガルドス様直々に命令が下ってるんだ」
「「ガルドス……!?」」
「そういうことだ。俺たちは、お前たちを殺すぞ!」

ラビスの一言で、戦いの幕が開こうとしていた。

「へっ、人数が多けりゃいいってもんじゃないだろ?」
セルは自信満々に剣を振り回して言った。
「果たしてそうでしょうか? 人数が増えれば増えるほど、戦い方は広がりますよ?」
ブラストがそう言った瞬間、ファライドの姿が消えた。

「!!!」
どこから来るのか、注意深く周りを見る二人。ところが、来たのは炎の渦だった。

「「うわぁっ!!」」
とっさに右に倒れ込む二人。しかし、そこには火の玉が待ち構えていた。
二人はその火の玉をすんでのところで脇に飛び込んでかわし、立ち上がった。

「くっ……!」
セルは悔しそうに四人を見る。不敵に笑む四人。各々の戦闘力は飛び抜けて強くはないが、恐ろしいまでに見事なコンビネーションだった。
ファライドが素早く高く飛び上がって2人の目を騙し、その隙にラビスのバギマとブラストのベギラマ。そして最後はムザルのメラミ。
(全力でいかなかったら……勝てない!)
セルは剣を構え、四人に向かっていった。

「ヘルスラッシュ!」

衝撃波が四人を襲う。ところが、全員平気な顔をしていた。明らかに威力がないのだ。
「どうした? そんな技のどこが究極剣だよ?」
ファライドが嘲笑う。
(くそ……オレはどうしちゃったんだよ……!!)
「……セルがダメな時はあたしがやらなきゃ! メラゾーマ!」
今度は火の玉が四人に飛んでいく。これは当たった――ルイはそう確信した。
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