Chapter 28-4
「あれ……開かないぞ」

セルがいくら押しても引いても、扉はびくともしない。しばらく色々と試みるも、扉は頑として二人を拒み続ける。
「ダメだ、開かない。しょうがない、諦めようぜ」
「待って、ひょっとしたら何か特別な力があるのかも」
そう言ってルイは丹念に扉の隅々を調べた。が、特に怪しい箇所は見当たらない。

だが、この塔に何か重大な秘密があることは確かなのだ。放たれている闇の気配が、それを証明する動かぬ証拠である。もっとも、二人にとってそれは、不思議な感じという漠然としたものではあるのだが。

「よし、じゃあ力づくでこの扉をぶっ飛ばしてやろうじゃんか!」
セルは剣を構えた。あくまでも力で破壊する手段をとるようだ。
「いっけええ、ヘルスラッシュ!!」
闇の必殺剣技が、扉に直撃する。二人は中に入ろうと、足を進めた。
が、扉は開いておらず、二人は扉にぶつかった。これには、セルも困惑した。

「あれ……なんかオレ、弱くなってる……?」

ヘルスラッシュで開かないドアを目に、セルは言った。
扉が開かない理由ではないのだが、このセルの見解は実は正しかった。光か闇か中途半端な状態で放たれる剣技は、どちらの属性にもなり切れない。今のセルの状態は、まさにそのようなものだった。
しかし、ルイは信じなかった。
「そんなことない! きっと剣がどうかしちゃったのよ、貸して!」
半ばひったくるようにセルから剣を奪う。
「インパス!」
剣がぼうっと光る。そしてすぐに消える。
「おかしいな……何ともないみたい……」
うなだれながら剣を返すルイ。セルはそれを受け取り、半ばぶっきらぼうに、半ば冗談半分で言った。
「扉がおかしかったりして? インパスで見てやったら?」
「まさか。インパス! でもこんなので開くわけ……」

その瞬間、いとも簡単に扉が開いた。

「……マジかよ」
「……本当に開いた!」

二人は驚きつつも、闇の気配漂う塔に入った。幼い遊び心から開いた塔だが、これが果たして吉と出るか、凶と出るか。
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