Chapter 28-2
それぞれ別行動で聞き込みを始めるものの、やはりキース個人を、あるいはディル個人を知る者はいなかった。が、一つだけルイが得た手掛かりが、二人にとって重要なことを知らせる。

「よく分かんないけど、北の山肌に住み着いた竜を退治した旅人さんたちが、宿屋にいるはずだよ?」
「ほんと!? おじさん、ありがとう!」

ルイはぺこりとお辞儀をして、セルに情報を伝えに向かった。
「おじさん……まだ30過ぎなのに……」
無邪気な子供の言葉に町人が深く落ち込んだのを、ルイは知る由もなかった。

「本当か!? 間違いない、その人たちだ! よし、宿屋に急ぐぞ!」
セルはルイの話を聞くや否や、すぐに駆け出した。ルイは慌ててその後を追った。
曲がり角を曲がったところで、道に立ち止まっている三人組が見えた。キースたちだ。
セルは声をかけようとした。しかし、ちょうどその時キースたち三人は空に飛び上がり、南へと飛んで行ってしまった。

「「あっ…!」」

呆然とするセルとルイ。二人はルーラをまだ使えない。使えたとしても、彼らの行き先が分からなければ意味がない。
しかし、ルイは次の手段を考えていた。
「セル、追いかけよ! 今ならまだ間に合うよ!」
「あ、ああ、そうだな! 行こう!」
城下町の外に出て、ルイが笛を吹く。すると二匹のキメラが現れ、それぞれ背中にセルとルイを乗せた。
「南へ!」
ルイの一声で、キメラたちはぐんぐん加速する。その後二人はしばらく空の旅を楽しんだ。

しかし、突然トラブルが起こる。向かいから飛んできた何かが、セルの乗ったキメラとぶつかり、セルは空中に投げ出される格好になった。
「うわぁぁぁ!!」
「セル―――!!」
その光景を見たルイは、何の迷いもなく、キメラから飛び降りた。
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