Chapter 28-1
「なんと……そなたらだというのは真か!?」

一人の男が驚きのあまり立ち上がる。その男とは、レイドック国王だった。一瞬の後、はっと気づいたように座り直す。

「……取り乱してすまぬ。まさか、そなたらのような者が我が兵を倒したとは、にわかには信じ難い話だったからな」
王の言葉に、少女は唇を噛んだ。
「信じてもらえないのは分かってます。でも、あたしたちは眠っている兵士を倒しただけです。それも、あたしたちの意志じゃありません」
「ほう、では、誰の意志と申す?」
王の問いに、今度は少年が答えた。
「魔王、ガルドスです。オレたちは、奴に半分操られていました」
「なんと……その年齢で酷な……!」
そこで少女はたまらず頭を下げた。
「あたしたちの意志でなくても、兵士を傷つけたのは事実です。本当に…本当に、ごめんなさい!」
「いや、責任は、オレが取ります。だから、ルイだけは、ルイだけは見逃して下さい!」

二人で頭を下げる。王はその様子を見ていたが、やがて口を開いた。
「よいよい。わしは嬉しいのじゃ。そなたらのように若く強い者がおることを知れての。気にするでない。綺麗さっぱり、水に流そうぞ!」
二人は目をぱちくりさせた。

その後、セルとルイは笑顔で城を出てきた。
「よかったね、セル!」
「ああ、牢屋に入れられるかと思ったよ」
「でも、これからどうする? あたしはセルの行く所について行くけど……」
少女ルイは、少し困った顔でセルの意見を聞いた。
「……あの二人がめちゃくちゃかっこ良かった。だから、オレはあの二人を探して、一緒に旅をしたいと思ってるんだけど……ルイはいいか?」
「うん! とても楽しみ、ワクワクするわ!」
「よし、そうと決まればさっそく、あの二人を探すか!」

二人は頷き合い、城下町での聞き込みを始めた。
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