Chapter 27-12
「…………」

無言でその場に座り込むキース。やはり、勝ったとは言え、受けたダメージと失った血の量がこたえているようだ。
「危なかった……」
キースは大の字に寝転がり、空を見上げた。少し雲が漂っているが、結構な晴れ空である。
そして、城壁が崩れたことにより、少し見えている部屋から、ディルとキットが顔を覗かせていた。
「さすがですね、あなたの底なしの強さには驚きましたよ」
「ギガデインまで使いやがった……ったく、化け物かお前は」
二人の笑顔に答えるように、キースは右手の親指を突き出してみせた。
「そういえばキース、先程レミラーマでこの部屋に隠し宝箱があることを発見しまして、ちょっと上がってきてもらえます?」
「……は?」
キットが笑顔で、キースを見下ろした。

部屋に戻ったキースを待っていたのは、暖炉の奥から出てきた大きな宝箱だった。
「相当な宝だぞ。開けようぜ」
「ちょっと待て」
宝箱を開こうとするディルをキースが制す。
「万が一敵だったら、もう戦えないぞ」
「それについては、インパスで調べ済みです。どうぞ」

ゆっくり宝箱を開くと、そこには一本の剣が収められていた。

「ロ、ロトの剣だ!!」

キースは我が目を疑った。レグルスの家で読んだ古文書に描かれていたものと全く同じ。それが今、自分の手元にある。剣を持つと、手に吸い付くような感覚、そして、驚くほどの軽さ。
試しに持ってみたディルとキットには、剣が重すぎて持てなかった。剣がキースを選んだのだ。
「これなら、俺の必殺技にも耐えてくれるぜ!」
「必殺技?」
「ああ、まあその時のお楽しみだ」

ついに手に入った伝説の剣。キースたち三人は意気揚々と悪魔の城を後にした。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -