Chapter 27-11
「ぐあっ……」
「つっ……」
「はぁ、はぁ……」

三人は無数の悪魔たちに、やりたい放題やられていた。殴られ、蹴られ、袋叩きにあう三人。
「まだまだ……この程度じゃボクの怒りは収まらないよ!」
シャンクの声も、もはや三人には届いていないようだ。
抵抗することすらできず、ただ攻撃を受け続ける三人。だが、ここでシャンクは一つのことに気づいた。
「おかしいな、あいつだけ……さほどダメージを受けていない?」
シャンクが言ったあいつ、それはキースのことだった。さらにシャンクが観察すると、もう一つ、気づいたことがあった。
「……何を呟いている? 一体おまえは何をしようとしてるんだ!」
全くもって不可解な行動に見えた。しかし、キースはちゃんと分かっていたのだ。

「……これは……幻だ……!」
「!!!」

キースの呟きを聞き取ったシャンク。直後、謎の悪魔たちが嘘のように消えた。
キースは立ち上がったが、ディルとキットは受けたダメージが大きく、その場に倒れ込んだ。
「二人とも、待ってろ……!」
キースはゆっくりと剣を構え、叫んだ。
「シャンク。俺はお前を……ぶっ倒す!!」
「はっ、やれるもんならやってみな! ボクが負けることなんてないんだ!」
シャンクが言った瞬間、キースは動いた。
(は、速い!)
目にも留まらぬスピードで動いたキースは、シャンクの腹を突き上げる。先の攻撃をそのまま返した形になった。
「ギガスラッシュ!」
キースは休まず攻撃を続ける。壁が貫通し、シャンクは下に落ちていった。キースも続いて外に出る。そして、剣を収め、シャンクに狙いを定めた。上空に雷雲が立ちこめる。
「その呪文は……! ボッ……ボクが使えない数少ない呪文を……!」
それが、シャンクの最後の言葉だった。強烈なエネルギーを蓄えた雷が、シャンクに落とされる。

「……ギガデイン!!」

轟音とともに、稲妻がシャンクの体を飲み込んだ。凄まじい放電によって、地鳴りが起こる。
その電圧に耐えきれなかったシャンクは、炎上して灰と化した。

また一つ、命を懸けた死闘に幕が下りた。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -