Chapter 27-9
しかし、やはりこのシャンクも消えた。まだマヌーサの効果は消えないようだ。
「ボクのマヌーサはかけた相手かボクが倒れるまで消えないよ! 残念だったね!」
どこからか響くシャンクの声。ちょうどその時、ズシンと音がした。キットが大魔導を倒したのだ。
「さあ、後はお前だけだ!」
「ボクだけ……確かにボクだけ、だけど、キミたちは元々ボク一人で十分なのさ。マホステ!」
シャンクの体がぼんやりと光る。それを見たキットが、歯を食いしばった。

「キット、どうかしたか?」
「敵に、先手を取られました」
「何?」
「私は、マヌーサがかかった今、呪文で広範囲に攻めようと考えていました。ところが、シャンクは先にマホステを唱えてしまった」
これでは、呪文で攻めることも出来ない。八方塞がりとなってしまった。
「そして、キミたちにはもう数秒の命しか残されていない……!」
シャンクが薄ら笑いを浮かべる。

「どういう意味だ……?」
「こういう意味さ……ザラキーマ!」

突如、三人に割れるように激しい頭痛と吐き気が襲い来た。三人は頭を抱えてうずくまり、頭の中から聞こえる気味悪い声に耐えていた。
「その死の言葉を聞いてしまえば……キミたちはおしまいさ……」
シャンクは薄ら笑いを浮かべたまま言った。しかし、ここで一人動いた人物がいた。

「バレバレ……なんだよ!!」

スパァン!

「がっ……!? なんで……!」
シャンクが倒れ込む。そして、その途端三人の頭痛と吐き気が嘘のように消え去った。シャンクを斬った人物は、ディルだった。

「お前は一つだけ忘れてたぜ。キースが俺に凍てつく波動をかけたことをな!」
「!!!」
そう、凍てつく波動は全ての魔法効果を消し去る特技だ。魔法効果の中には、当然マヌーサも含まれる。ディルはシャンクの正しい位置を見抜いていたのだ。
三人は無事で、シャンクに手傷を負わせた。今度は、こちらが優位に立った。
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