Chapter 27-5
キースたちは階段を上り終え、三つある扉を順に開いていった。最初の二つの扉の奥の部屋には特に変わったところは何もなかった。しかし、キースが最後の扉を開いた瞬間、三人は三度固まることになる。

キースとディルの目が見開かれる。その視線の先には、激しく見覚えのある二人の姿があった。
「あれ? こんなところで会うなんて……偶然だね、キース」
「まったくだわ。あーあ、もっと強くなってから会いたかったわ……」
二人は微笑みを浮かべている。キースの声が震える。
「ア、アレク……? それにクラリスか……!?」
「じゃなきゃ、誰なのさ。僕たちの顔も忘れちゃったのかい?」
「アレク、突然のことだから、キースだってびっくりしてるのよ」
「そんなこと分かってるよ。ちょっとからかっただけじゃないか」
キースは目の前の光景が信じられなかった。
「お前たち……ここにいた親玉はどうしたんだ?」
ディルも驚きを隠せない様子だ。だが、アレクは落ち着いた様子でさらりと答えた。
「え? ああ、もう倒しちゃったよ。僕たちも危なかったけどね」
「ええ。アレクが頑張ってくれて、私も助かったわ」

キースは頭の中が真っ白になっていた。突然の再会に加えて、彼ら二人で簡単に、しかも無傷で敵を倒した現実を知ったからだ。だが、だんだん意識を取り戻し、自然と表情が緩んできた。
「ああ……アレク、クラリス、会いたかったぜ……!」
「ああ。僕たちも、君に会いたかったよ……!」
「ふふ、お久しぶりね!」
アレクとクラリスがゆっくりと近づいてきた。キットは扉の近くで事情を飲み込めずにいたが、キースとディルは笑顔で二人を迎えた。
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