Chapter 25-8
「ソーラー・インパクト!!」
「!!!」

ズガァァァン!!!

キースの蹴りは見事にヒットした。男は数メートル後ろに吹っ飛んだ。
「よし!」
ディルはガッツポーズを決めたが、キースの表情は動かなかった。
キースは険しい顔つきで、起き上がってきた男に問いかける。
「何でかわさなかった? 四倍のスピード差なら、あのくらい目をつぶっててもかわせるだろ」
男は微笑を浮かべていた。
「……ベホマラー」
キースと男の傷がふさがる。
「失礼しました。確かにかわせたかもしれませんが……」
男は空を見上げた。
「あなたの言った技の名前が、彼と似ていたもので、動けませんでした」
「は?」
キースは首を傾げた。彼と言われても、この男とは面識がないから誰のことだか分からない。
男は続けた。
「その人は自らの技にギガ・インパクトという名前をつけました。腕に闘気を集中させ、敵を粉砕する技ですが」
キースもディルも黙って聞いていた。
「彼はその技で、バスラ七衛兵の三番手、レガートとの戦いに終止符を打った」
「「!!!」」

レガート。キースははっきり覚えている。ディルと出会ったあの日の彼の言葉を。

『聞くところによると――』

「ま、まさか……あんたが……!」
「――申し遅れました。私の名はキット=シェルト。かつて、あなたもよく知っている男、ラルド=アーロンと共に旅をした者です」
その男――キットが、キースに頭を下げた。キースは、目の前の光景が信じられなかった。
「あんただったのか……ラルドを助けてくれたのは」
「大袈裟ですよ。私は彼について行っただけです。ですが、そんな私で構わなければ、あなたたちのこの旅に同行させては頂けませんか? バスラ七衛兵と戦った身として、この戦いを終わらせる力になりたいのです」
今一度キットは頭を下げる。キースはゆっくりと言った。

「キット、顔を上げてくれ」
「はい」
「見た感じ、明らかにあんたの方が年上だ。なのに俺は目上のあんたに対して、敬語の一つも使えないダメな人間だ。そんな俺でいいなら……こっちから、お願いします」
今度はキースが頭を下げた。ディルも同じく頭を下げる。
「……ありがとうございます。キース、ディル……よろしくお願いします」

こうして、キットが仲間に加わった。
選ばれた戦士がまた一人、キースの下に集まった。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -