Chapter 25-3
「ギガスラッシュ!!」

強烈な衝撃波がセルたちを襲う。前方九十度ほどを飲み込む衝撃波だ。この近距離ではまずかわせない。
が、セルはキースの予想を遥かに上回る回避方法をとった。

「ヘルスラッシュ!!」
「何だと!?」

セルの剣から放たれた衝撃波が、キースの放った衝撃波とぶつかり、相殺される。そして、微力ながらキースたちの方に、衝撃波が来る。キースは剣を横に振るい、衝撃波をかき消した。
(こいつら……俺の予想を超えた攻撃ばかり繰り出してきやがる……)
今の攻防で、お互いは傷を一つも負っていない。
「……俺の考えが甘かったようだな」
キースは振り返った。すると、ディルがゆっくりとキースの横に歩み寄り、目を閉じた。
みるみるうちにディルの放つ闘気が強くなる。
「行くぞ!」
ディルはそう言うが早いか、その場から姿を消した。少なくとも、セルとルイにはそう見えた。
「おらっ!」
ディルはセルの背後に回り込み、軽く剣を振る。セルの背中から血が飛んだ。
「うわああああ!!」
「セル!」
ルイがすぐにセルに駆け寄っていく。
「ベホマ!」
セルの背中は元通り、傷一つ無くなる。

だが、その間にキースたちは次の行動を起こしていた。

ガン!

キースはセルの、ディルはルイの頭を、素手で殴った。殴られた二人は、気を失ってその場に倒れた。


「うっ……」
「お、気がついたか」
セルとルイが目を覚ましたのは、それから二時間後だった。
「お、お前ら、なんでいるんだよ! 勝負はついたんだ、とっととどっかに行けばいいじゃんかよ!」
「そうよ! 変にあたしたちを……っ……」
ルイは泣き出してしまった。どうやら、二人のプライドを傷つけてしまったようだ。
キースは長いため息をつき、それからゆっくりと話し始めた。
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