Chapter 22-7
「――四人がかりとはいえ、本当にロームを……?」
女性は驚愕の表情を浮かべていた。まさか、まさか本当に倒してしまうとは。

「……ああ。けどあんた、その反応怪しいな。まさか、俺たちを嵌めるつもりだったのか?」
「ち、違うわ!」
ディルの厳しい口調。それを聞いた女性は慌てて否定した。
「あのロームに困っていたのは本当だし、それを倒してくれたあなたたちには感謝しているわ」
「じゃ、最初の反応は?」
「まさかあなたたちがこれほど早いとは思わなかったのよ! 私はあなたたちが帰ってくるまでにお礼を用意するつもりだったの。けれど、その……あまりに早かったから、それが用意できてないのよ……」
慌てふためいた女性の言葉に、四人は思わず吹き出した。
「な、何がおかしいのよ……」
「俺たちは、倒すべき敵を倒すために旅をしている。別に困ってる人から見返りをもらうためじゃないです」
キースは淡々とした口調で話した。
「でも……それでは私の気持ちが収まらないわ。私に……何か出来ることはないかしら?」
「なら、もう一度占って下さい」
「えっ?」
「俺たちが次に行くべき場所を」
「……ええ、それならお安い御用よ。少しだけ待ってて」

女性は目を閉じ、水晶玉に手をかざした。

「……見えたわ。あなたたちが次に向かうべき場所は、北のダーマ神殿跡よ。はっきりと見えたわ」
「ダーマ神殿跡……分かりました、ありがとうございます。じゃあ、俺たちはこれで」
四人は女性の館を後にした。

「あの後ろの男の子と女の子、何か隠していたわね……」
静かにつぶやきながら、女性は水晶玉に歪んで映る自分の顔を見つめた。
「でも彼らなら、きっと大丈夫ね……」
そしてそっと目を閉じ、次第に遠のいていく四人の足音を聞いていた。
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