Chapter 22-4
(こんな時、ラルドがいてくれりゃな……)

キースやディルの決め技は、ほとんどが魔法エネルギーや闘気エネルギーを含む技だ。ギガスラッシュしかり、ギャラクシー・ライザーしかり。そのため、物理エネルギーだけのダメージではロームを倒せない。
しかし、ラルドの技や剣技は純粋な物理エネルギーによる攻撃が多かったのだ。キースたちは知らないことではあるが、ラルドがレガートやガルドスに放ったギガ・インパクトなら、ロームを間違いなく倒せる。
「俺の技じゃ……倒せねーっ……!」
キースの表情から自信が消えた。それは、若干の戦意の喪失も示していた。
ディルもキースの力無い言葉を聞いて立ち尽くした。キースにできないのに、俺に何ができる?
彼ら二人にとっては、ロームはザルグを上回る強敵となってしまった。相性が悪すぎた――。

「情けないわ……あなたたち、情けなさすぎて見てられないわよ!!」
「「!!!」」
クラリスの言葉に、二人は反射的に振り向いた。
「何よ! さっきから聞いてれば物理エネルギーがどうのとか闘気エネルギーがこうのとか……いっつもあんたたちそんな難しい話なんかしないじゃないのよ!」
「何だと……!」
「ディル、あんたはその程度なわけ? もしそうなら失望するわ!」
「失望だと? 勝手にしやがれ! 大体、お前は奴を倒せるとでも言うのかよ!?」

二人の言い争いに、アレクが割って入った。
「ディル、これは倒せるかどうかの問題じゃないんだよ」
「あぁ……?」
「どんな敵にも、諦めずにぶつかって行け。クラリスが言いたいのはこれさ」
アレクの言葉に、クラリスは大きく頷いた。
「それに、普通の攻撃なら通じるんでしょ? なら再生速度よりも早くダメージを与えていけば、必ず倒せるわ。さっきのアレクのバギクロスは、竜巻がロームに傷をつけたのよ。なら私にだって出来ることはあるわ」

クラリスがロームの方に向き、構えを取った。
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