Chapter 22-2
キースの剣から放たれた衝撃波は、確実にロームを捉えた。
またロームの全身からは血が溢れた。それを見て、キースは言った。

「クラリス、残念だけどお前の推測には一つだけ間違いがある」
「……間違い?」
「ああ。確かにコイツは分裂するだろう。それは言えるし、再生能力の高い巨大単細胞生物というのも納得がいく」
「……」
「だけど、血があんな風に出るってことは、血が全身を巡ってねーとダメだ。やっぱり心臓はあるんだよ」
「それが、小さなものかもしれないけど……ってことね」
「ああ。ただコイツは強い。見ろ、しゃべってる間に俺のギガスラッシュでつけた傷が塞がっちまってる」
キースが指差した先のロームの体には、既に傷一つ見当たらなくなっていた。
「全く、コイツは本当に医者いらずだな」
ディルが言った。
「よし、それじゃ次は僕が呪文で攻撃するよ」
アレクが進み出た。そして巨大な竜巻を巻き起こす。

「……バギクロス!」

アレクの巻き起こした竜巻の速さは、異常なほどゆっくりしたものだった。アレク以外の三人は、アレクが竜巻のスピードを自在に変化させられることに驚いた。
だが、それだけではない。アレクは次の手を打っていた。

「ベギラマ!」

高熱の炎がアレクの手から放たれた。
そしてそれは前の竜巻に追いつき、巨大な火柱が出来上がった。
その火柱はゆっくりとしたスピードで、ついにロームにたどり着き、ロームを飲み込んだ。
「グギャァァァァ!!」
ロームの苦痛の叫びが響く。竜巻で全身を刻まれた上に、炎が全身を舐めるように焼く。
「うわっ……俺、もうアレクと喧嘩できねーな……」
キースの顔は引きつっている。
「まあ、さすがにこれで生きちゃいねえか」
誰もがディルのその言葉を信じて疑わなかった。


しかし。
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