Chapter 21-11
「「さあ、行くぜ……」」

二人は同時に雷を呼ぶ。

「ギガスラッシュと……」
「ヘルスラッシュね……」
「でも待ってよ。いくらギガスラッシュやヘルスラッシュがグループ攻撃の技でも、この数じゃ無理なんじゃ……」
アレクが心配そうに戦局を見つめる。
クラリスはその横で首を横に振った。
「忘れたの? キースが敵だった時に使ったヘルスラッシュは、私たち三人を衝撃波だけで倒したじゃない」
「そうだったね……じゃあ多分ギガスラッシュも……」
「ええ。今の技で……勝敗は見えてるわ」
クラリスがくるりと向きを変えてゆっくり歩き出した。

その後ろで、シャーッという、空を切り裂く音が聞こえた後、ドスッ、ズシンという、重い物体が落ちる音が無数に聞こえた。
「真空波二発にイオナズン一発、それにこの衝撃波を与えりゃいくら大魔神でも倒れるさ」
キースが剣をしまいながら冷静に呟いた。その脇で、ディルは大きなため息を一つつき、無言でアレクたちの後に従った。

「あの小屋……入ってみるか?」
いつの間にか先頭にいるキースが三人の方を向いた。
三人はそれに無言で頷き、小屋に入っていった。

「こんにちはー……」
「あら、お客様なんて珍しいわね。さあ、皆さん入って下さい」
小屋に入ると、奥から女性の声が聞こえてきた。
四人は奥に入っていった。どうやら占いの館のようだ。
「よく来て下さいましたね。ここはマーズの館。私は昔から、占いをしていますの」
女性はゆっくりと話す。
「そうなんですか。それじゃ、ちょっと占ってほしいんですが……」
キースが少し考えこみながら言った。

「はい、何を占いましょう?」
「俺たちが次に倒すべき敵を占ってほしいんです」
「分かりました。それでは占いましょう。ああ、お金はいりませんわ。趣味でやってますから」
占い師の言葉に驚きつつ、四人は占いの結果を待った。

しばらく水晶に手をかざしていた女性は、やがて顔を上げた。
「……わかりましたわ。次の敵はここからすぐ近くにいます」
「近いのか! どこだ?」
ここでディルの目が輝いてきた。戦うことが本当に好きなのだろう。
「南にある夢見の洞窟です。その敵はまだ小さな小さな生物ですが、夢見のしずくを食糧として恐るべき早さで育ちつつあります。今の内に倒すべきですわ」
女性の顔つきが変わっていた。キースはそれを見て、こう言った。
「よし、行こうぜ、その洞窟に。油断大敵だ、気を引き締めろ!」
と。
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